「別れさせ屋」という仕事があるのは耳にしたことがあると思いますが、その反対の「復縁屋」という仕事もあります。
心ならずも彼や彼女と別れて後悔し、落ちこんでいる人には耳寄りな話ですが、別れた男女を復縁させる仕事とは誰がどんなことをするのでしょうか?
復縁屋に頼めば本当に別れた相手と元の仲にもどれるものなのか、頼むとしたらどれくらいお金がかかるのか、何か危ない目に合うようなことがないのか、など色々気になることがありますね。
ここでは、そんな復縁屋という仕事についての疑問点をわかりやすくお教えします。
目次
復縁屋って何者?
復縁屋とは一言で言うと<探偵業+工作員>です。
工作員というとスパイ映画が思い浮かびますが、別れた相手の気持ちを変えさせるためにシナリオを作って、役を決め、働きかけるのが工作です。
探偵業は依頼されたターゲットの行動を調べて依頼主に報告するだけですが、復縁屋はさらにターゲットに接触してその心を依頼主に向けさせる工作をしなければなりません。
尾行したり張り込みをして人の行動を調査する探偵業は「探偵業法」という法律を守る義務があり、営業をするには会社のある地域の警察署に届け出る必要があります。
したがって復縁屋はまず届け出をしている探偵業者でなくてはなりません。
ストーカー行為と言われずに合法的に人を尾行したりできるのは警察か報道関係者か探偵業者だけです。
どんな職業なの?
復縁屋と探偵業のいちばん違うところは、依頼主がどんな性格の人かも知っておかないと仕事にならないことです。
また、依頼主の相手についてもその行動だけでなくどんな性格の人物なのかを知らないといけません。
別れた二人を元のさやに戻そうとするのですから、両方の人物やお互いの関係について知らなければならないのは当然ですね。(このような作業をプロファイリングといいます)
復縁屋の仕事の進め方のおおよそは次のようなものです。
- 依頼主と面談して話を聞く(相手の勤め先や住所、別れた原因などの情報収集)
- 大まかなプランと費用を提示して契約をし、初期費用をもらう
- 相手の行動パターンを調査する
- 相談者と相手のプロファイリグをする
- 復縁のシナリオを作る
- シナリオにしたがって工作員が相手に接触する
- 偶然を装い、依頼者との復縁に持ち込む
- 復縁が成功したら成功報酬をもらう
探偵業はある意味でシンプルですが、復縁屋はなかなか微妙で複雑で職業だと言わなければなりませんね。
どれくらいの利用者がいる?
復縁の専門業者あるいは探偵業のかたわら復縁屋もしている業者がどれくらいいるかが不明なので、どれくらい利用者がいるのかも分りません。
復縁屋の中にはホームページで「相談件数○十万件」などとうたっているところがありますが、もちろんこの数字を額面通り受け取るわけにはいきません。
また、無料で済む相談件数がある程度多いことは想像できますが、そのうちどの程度が契約にまで進むのかは不明です。
警察庁の「平成28年中における探偵業の概況」によると、全国に探偵業の届け出をしている業者は5,691あり、その内法人が1,540、個人が4,151となっていますが、この内の何%くらいが復縁屋を兼業しているのかは分かりません。
復縁屋のホームページのお金のかかった作り込みから見て実際に利用者がかなりいることは間違いありませんが、実数は不明というしかありません。
復縁屋を使うには?
復縁屋を利用するには、まずホームページでメール相談をしてから、事務所に出かけて面談することになります。
その後の流れは上記の表のようになります。
何が依頼できる?
復縁屋に依頼できることは、ずばり彼や彼女との復縁です。
相手とふたたび連絡が取れたり、会ったりすることができるようになれば復縁は成功したと見なされます。
もちろん、その後二人の仲がどう進展するか、長続きするかについては依頼者の自己責任で、復縁屋は関知しません。
復縁屋はターゲットの気持ちを動かすために、まず工作員が相手に接近して人間関係を作る必要があります。
恋愛話ができるようになるくらいの仲にならないと作戦が進まないので、これ自体がなかなか大変な工作です。
その恋バナの内容から次のシナリオを作って演出することになりますが、復縁屋はかならず依頼者にシナリオの進行中に勝手に相手に連絡したり接触したりしないように釘を刺します。
依頼者は復縁屋に情報を提供して依頼したら、その後は「復縁」という舞台の一役者になり、監督(復縁屋)の指示に従わなくてはなりません。
料金はどれくらい?
復縁屋の料金は着手金と成功報酬の2段がまえで、多くの場合、合計で150万円程度は覚悟する必要があるようです。
ケースによっては200万円から300万円かかこともあります。
復縁屋によってはいくつかのコースを用意して、50万円くらいのいわばお手軽コース(簡易プラン)を設けているところもあります。
しかしエステのコースではないので、「復縁」という最終目的は変わらない以上コース分けすることにあまり意味はありません。
「成功しなければ返金」として成功報酬を含めて800万円くらいのコースを用意している復縁屋もあります。
これは現金でぽんと払えるお金持ち用のコースですね。
お手軽コースは下手をすると「成功しなくても仕方がないコース」や「本気でやらないコース」になってしまう可能性があります。
復縁屋の報酬はこのように高額になるので、クレジットカードで支払い依頼者はそれをリボ払いで返済していくというケースが多いようです。
十分に考えたうえで契約しないと後悔することもありますし、通販ではないのでクーリングオフも適用されません。
期間はどれくらいかかる?
カウンセリングやプロファイリング、シナリオ作成、ターゲットへの接触、工作など、復縁屋の仕事は複雑で、ターゲットの気持ちを動かすのにも時間がかかるので、復縁成功までの期間はすくなくとも1ヶ月以上はかかります。
先ほど触れた800万円コースでは最長で8カ月くらいの期間を想定しているようです。
絶対復縁できる?
復縁は相手の気持ちが関係しているので、絶対ということはありえません。
二人が分れた原因もいろいろなら、依頼者の性格、相手の性格もいろいろです。
ターゲットに働きかける工作者がどんなに優秀でも、別れた原因が依頼者の性格や行動にあるのなら、依頼者自身が変わらなければ復縁することはできません。
また、工作員がターゲットに及ぼす心理的な影響力を過大に期待するのも現実的ではありません。
成功率はどれくらい?
復縁屋の仕事の成功率は闇の中です。もちろん復縁屋がホームページでうたっている「好評率78%」などという数字もまったく信用できません。
ただ常識の教えるところは、別れた二人を見ず知らずの第三者が関与してよりを戻させるという仕事ですので、必ずしも高確率ではないということです。
別れた相手もそれを後悔して落ちこんでいるとしたら、工作がすんなり運ぶこともあるでしょうが、これは復縁屋に頼むまでもないケースと言えなくもありません。
また、おそらく復縁屋の仕事のほとんどは依頼者と契約してお金をもらった時点で終わっているはずです。
少なくとも心理的にはそうなると考えなければなりません。
お金をもらった以上一生懸命やるという復縁屋が少ないとは言いませんが、その熱心さに過剰な期待はできません。
失敗しても料金はかかるの?
復縁屋の料金は着手金と成功報酬の2段構えなので、復縁に失敗したときも着手金はすでに払っているのでそれが戻ってくることはありません。
探偵業者は依頼者と契約書を交わすことが義務付けられているので、契約前にはよく読んでおく必要があります。
とくにキャンセルが可能なタイミングがあるのかどうか、失敗したときの料金がどうなるのは必ず確認すべきでしょう。
本当に復縁屋を使うべき?
復縁屋を使うべきかどうか迷ったら、以下の点をチェックしてみましょう。
- 失敗してもあきらめのつくお金があるか
- 関係修復に探偵業者を使うことに後ろめたさがないか
- もし復縁できたとして、それを維持できる自信があるか
大金を使って復縁できたとしても、依頼者自身が変わっていなければ、また相手が変わっていなければ、高い確率で同じような別れをくり返すことになります。
- 復縁屋は探偵業者がやっている仕事
- 復縁屋は調査のほかに工作員が復縁のための工作をする
- 復縁屋の費用は100万円以上の高額
- いったん払った費用は、失敗しても戻ってこない
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